ロジスティック回帰と分類 — 直線で「確率」を学ぶ
合格か不合格か、スパムか否か — 答えが「どちらか」になるのが分類問題。線形回帰の出力をシグモイド関数で0〜1の確率に折りたたみ、交差エントロピーを最小化して境界線を学ぶ。分類の基本形を3つの動くグラフで解剖します。
1. 回帰と何が違うのか
線形回帰は「家賃はいくらか」のような連続値を予測しました。しかし「この学生は合格するか?」の答えは 0 か 1 のラベルです。直線 y = wx + b をそのまま当てはめると、2つの問題が起きます。
- 出力が −∞〜+∞ に飛び出してしまい、「確率」として読めない(120%合格? −30%合格?)。
- 極端なデータ点(100時間勉強した学生)に直線が引きずられ、境界の位置がズレる。
欲しいのは「合格の確率 p」。そこで直線の出力 z = wx + b を、どんな値でも 0〜1 に押し込む変換に通します。それがシグモイド関数です。
2. シグモイド — 数直線を確率に折りたたむ
下の操作盤で w(重み)と b(バイアス)を動かしてみてください。w はカーブの傾き=判断の急峻さ、b はカーブの左右の位置を決めます。白い点は「勉強時間 x の学生」で、入力 x がカーブを通って確率 p に変換される様子が繰り返しアニメーションします。
3. 決定境界を学習する
特徴が2つ(例: 勉強時間 x₁ と 出席率 x₂)なら z = w₁x₁ + w₂x₂ + b。p = σ(z) = 0.5 となる場所、すなわち w₁x₁ + w₂x₂ + b = 0 は直線になります。これが2次元での決定境界です。
学習は勾配降下法そのもの。損失(後述の交差エントロピー)の勾配に沿って w₁, w₂, b を少しずつ動かすと、境界線がデータを分ける向きへ回り込んでいきます。「学習スタート」を押して観察してください。
4. なぜ交差エントロピーか
損失関数には線形回帰で使った二乗誤差 (p − y)² でもよさそうに見えます。しかし分類では交差エントロピーが使われます。
決定的な違いは「自信満々の間違い」への罰です。下のグラフでスライダーを正解と反対側の端まで動かしてみてください。二乗誤差はどんなに外しても最大 1 で頭打ちですが、交差エントロピーは無限大へ発散し、強烈な勾配で修正を迫ります。
5. まとめ
- 分類は確率で予測する:直線の出力 z = wx + b をシグモイド σ(z) で 0〜1 に変換する。
- 決定境界は z = 0 の場所:そこで p = 0.5。2次元なら直線、w が向きを、b が位置を決める。
- 損失は交差エントロピー:自信満々の間違いを無限大の罰で正す。勾配は(予測 − 正解)× 入力。
- 名前は「回帰」でも、やっていることは分類。歴史的な命名に注意。